このサイトの「八ツ橋(やつはし)」の標記についてちょっと考えてみました。
「やつはし」に存在するいろいろな標記
京都を代表する銘菓「八ツ橋」。
ぼくは一年中「やつはし、やつはし」って言っていますが、よく考えるとその表記方法にはいろいろとあるんです。
これが全部ではないですがいくつか挙げてみますね。
- 八ツ橋
- 八ッ橋
- 八つ橋
- 八橋
ぼくはいつもこのサイトで八ツ橋を紹介する時、どの表記法で書くべきか悩み続けてきました。
そこでこのページでは八ツ橋の表記と、このサイトでの使い分けについて書きたいと思います。
商品やメーカーによって変わる「八ツ橋」の表記法
八ツ橋の表記はメーカーや商品によって変わるんです。
よく見ないと気づかないかも知れませんが、商品によって微妙に表記が違っているのに気づくはず。
一般的な八ツ橋を表す「八ツ橋」
まず「八ツ橋」です。
見るポイントは真ん中の「ツ」。大きな「ツ」になっていますね。
「八ツ橋」
この表記が用いられるシーンとしては、一般的に八ツ橋を表現する場合でしょう。
京都には八ツ橋を製造する14社が加盟する京都八ツ橋商工業協同組合があります。
ここでの八ツ橋の表記は大きな「ツ」となっています。
あとはウィキペディアでも「八ツ橋」として登録されていますね。
店名や皮の八ツ橋を表す「八ッ橋」
小さな「ッ」を使った「八ッ橋」という表記は、お店や商品の名前に多く見られます。
たとえば元禄二年(1689)創業の老舗・聖護院八ッ橋総本店や本家西尾八ッ橋のお店の名前には小さな「ッ」が使われています。
そして八ッ橋や生八ッ橋などの商品名も多くのお店が「八ッ橋」という表記になっているんです。
美十のあんいり生八つ橋
多くのお店の八ッ橋が小さな「ッ」を使った表記なのに対して、おたべを手がける美十は「生八つ橋」という表記を使っています。
ここで気をつけないといけないのは、美十の焼いてある八ツ橋の商品名には「つ」ではなく「ッ」が使われているんです。
なぜ生八ツ橋だけ、ひらがなの「つ」を使ったのか?
その理由は美十のWebサイトに書かれていましたよ。
おたべの生八つ橋の「つ」は、柔らかさをあらわすため、それまでのカタカナの「ツ」ではなく、ひらがなの「つ」を使っています。
おたべとは 京都銘菓「おたべ」
美十の生八ツ橋は柔らかさをあらわすために、あえてひらがなを使っていたんですね。
たしかにあのやわらかな生八ツ橋は表現するには「ッ」より「つ」の方がいいのかも。
八ツ橋の起源?八橋検校や地名の「八橋」
八ツ橋を「八橋」と表記しているお店をまだ見たことがないんですが、漢字2文字で「八橋」と書くこともあるみたいですね。
これも八ツ橋の由来といわれる「八橋検校」や愛知県知立市にある「八橋」に由来するのかも知れませんね。
八ツ橋の歴史についてはこちらで詳しく紹介しています。
このサイトでは基本「八ツ橋」を使います
八ツ橋にはいろんな表記があることを話してきました。
どれも正しいとは思いますが、このサイトでは基本的に以下のように使い分けることにしています。
八ツ橋 | 一般的に八ツ橋のことを指す場合 |
八ッ橋 | お店や商品名 |
八つ橋 | 商品名 |
このように当サイトでの表記を決めましたが、一部このルールとは違っている部分もあります。
と言うのも、ぼく自身が表記について考えたのが最近で、以前に書いた記事についてはルールに則っていないからです。
その点はご容赦ください。